雲仙科学掘削の目的

 火山活動は、噴火災害として人間生活への脅威となるだけでなく、地球深部からの熱や物質の出口として地球表層の環境に大きく影響を及ぼしています。噴火災害の軽減や火山活動の地球環境変動への影響などを評価するためには、火山噴火機構、火山体成長・山体崩壊過程、地殻内マグマ活動を解明することが必要となります。
 そのためには、噴火による破壊・熱・物質移動などの影響が残っている「新しい」火山であり、なおかつ噴火経緯・物理的構造の詳細が研究されている火山において科学掘削を行うことが極めて有効です。これまでのところ、そのような科学プロジェクトは存在せず、本研究は世界初のプロジェクトとなります。
 長崎県の「雲仙火山」は、1990〜1995年の噴火以来、多くの詳細な観測データが得られ、様々な噴火・マグマ活動のモデル化が進んでいます。このプロジェクトでは、「雲仙火山」において科学掘削を中心とする総合的な研究を実施し、火道の形成過程・脱ガス過程・地下水との相互作用の実証的な研究を行うとともに、火山の成長・噴火過程を支配している広域的な地殻物理構造およびマグマの進化過程の解明を試みます。本計画のうち火道掘削は、国際陸上掘削計画(ICDP)と共同で実施します。
 第T期(平成11〜13年度)は、雲仙火山の履歴(噴火史)や詳細構造を解明し、マグマ供給や噴火のモデルを構築しました。また高温火道掘削の技術検討を行い、火道掘削の実施計画を策定しました。
 第U期(平成14〜16年度)は、第T期の成果を元に火道掘削を実施し、火道内マグマの上昇・脱ガス等のメカニズム、地下水脈との相互作用、山体構造の実態等を解明し、第T期で構築したモデルを検証します。

雲仙火山1990〜95年噴火   科学掘削とは?   国際研究協力   国内参加研究機関