雲仙火山1990-95年噴火

 1990年11月に始まった平成の雲仙火山噴火は、約5年間続きました。その間に巨大な平成新山溶岩ドームを形成し、その崩壊により数多くの火砕流を引き起こしました。1991年6月には火砕流により、近年まれにみる大きな災害が発生し、43名もの犠牲者が出ました。
 雲仙火山は1792年には眉山の山体崩壊により約15,000人もの死者を出した火山でもあります。これは、日本の噴火災害史において最大の被害です。そのため、この火山の研究を国際的にも推進する必要性が認められ、UNESCOが定める国際防災十年火山(注)のひとつに指定されています。

(注)国際防災十年火山

 特に集中的に研究を推進し、将来の火山防災の発展を目指すべく選ばれた火山。世界中で十数の火山が指定され、国際共同研究が行われている。日本では、雲仙火山と桜島火山が指定されている。



 平成の雲仙火山噴火に際しては、日本中の火山学者が雲仙に結集し、溶岩放出量、火山ガス放出量、地殻変動、地震活動などの詳細な観測が行われました。これらの観測結果をもとに、地下でのマグマの動き、溶岩ドームの成長に伴う火山活動の推移などを規制する原因が調べられ、様々な噴火機構、火山の地下構造のモデルが提唱されています。










 本研究は、噴火間もない雲仙平成新山の噴火火道をターゲットに科学掘削を実施する、世界初のプロジェクトです。噴火中の様々な観測・研究から得られた知識から、火道の位置を推定し、未だ高温である噴火火道の掘削を目指します。

 噴火火道の掘削により、噴火の際に上昇したマグマの実体や噴火を制御していた火道周囲の物性を直接観測することができます。科学掘削の結果を観測結果と総合することにより、平成新山噴火の噴火機構や噴火の制御機構を明らかにすることができます。